人色-hitoiro-
茜「隠し通せると思った?」
伊織「え?」
茜「どうして阿久津くんなの?
私が阿久津くんの事
好きだって知ってるのに。」
伊織はイスに座る事もせず
この夏にあった事を話し始めた。
その話を聞いたのは二度目だった。
伊織「阿久津くんがいてくれたから
私は京夜に想いを伝える事が出来た。
でも、全然ダメで‥一番に阿久津くんの
顔が浮かんできて‥それで‥」
茜「それってさ、九条くんが
ダメだったから阿久津くんと
付き合ったって事だよね?
‥最低だね。伊織が
そんな人だとは思わなかったよ。」
分かってるよ、でも。
悲しいんだよ。