人色-hitoiro-
奏「決まった時間に起きて
決まった時間の電車に乗って
決まった講義を受けて
決まった人間とつるんで
決まった時間に待ち合わせして
決まった食事を食べる。
自由なんてこれっぽっちもない。
俺はもう、うんざりだよ。」
相変わらず阿久津くんは
行き先を伝えてはくれなかったけど
ただ一つの場所に向かっている事は
確かで、そんな阿久津の背中に
着いて行きたいと私は思えた。
奏「だから、これから青春を
取り戻しに行くんだよ。」