人色-hitoiro-

小高い丘を登りその頂上に立つと
オレンジ色の夕日に照らされた
私たちが暮らす街が1面に広がっていた。

伊織「‥綺麗だね。」

自然と言葉がこぼれ落ちた。

奏「俺たちの生きる世界は
どうしようもなくちっぽけだよ。」

同じ景色を見ているのに
阿久津くんの瞳には
全く別の景色が写っていた。

私はその瞳を見つめる事しか
出来なかったんだ。
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