人色-hitoiro-

俺は極力、木崎の前では
伊織の話をしないようにしている。
その方がいいと思った。

別の女の話をされて
嬉しいと思う人は
滅多にいないだろう。

その後、俺たちはずっと
行けていなかった
プラネタリウムを見に行った。
他愛もない会話で笑い合いながら
食事もした。
何度となく繰り返してきた
デートを楽しんだ。

だけど、やっぱり俺は
全然ワクワクしなかった。
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