人色-hitoiro-
京夜「伊織は誰の事でも信じるんだよ。
阿久津が何を想って伊織と
付き合ったのかは分からない。
でも、伊織を傷付けるのはやめてくれ。」
奏「傷付けてるのはどっちだよ!
伊織ちゃんを傷付けてるのは俺じゃない。
傷付けてるのは九条くんの方だ。」
京夜「そんな事は分かってる。
さっきの言葉は酷かった。
だから‥俺は· · ·」
追いかけようとする俺の腕を
力強く阿久津が掴んだ。
奏「俺が行くから!」
その瞳がなんとなく
伊織に似ている気がして‥
俺は、少しだけ後悔した。
奏「自覚した方がいいんじゃない?
今、伊織ちゃんの隣にいるのは
九条くんじゃないよ!!
そこ、俺の場所だから。」
阿久津は俺の事を地面へと突き飛ばした。