人色-hitoiro-


同時に思い知らされる
伊織ちゃんの想いの強さとか
片思いの辛さとかが
全部全部、分かってしまって
正確には言葉にする事が出来なかった。

これほどまでに純粋に
人を思いやる人に出会った事
なんて、あっただろうか。

その想いを真正面からぶつけられた
その人はどれほどまでに幸せなのか
想像したら辛くなって考える事をやめた。

奏「伊織ちゃん、俺は‥」

伊織「‥‥ごめん。阿久津くん。
今は1人になりたいの。」

俺の元を去っていく
伊織ちゃんを追いかける事すら
今の俺には出来なかった。
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