人色-hitoiro-

昔から私は京夜の前でだけは
泣けなかった。そんな時はここへ来て
1人で泣いて‥しばらくすると
伊織!って京夜が私の名前を呼んでくれた。

もう京夜が私の名前を
呼んでくれる事なんてないのに。
ここへ来てくれるはずないのに
また私は未練がましく
こんな場所へと来てしまう。

京夜「伊織っ!」

きっとこれは空耳で
私の妄想でしかないのに。
でも、空耳でも何でも
京夜が私の名前を呼んでくれた事が
嬉しかった。
< 375 / 746 >

この作品をシェア

pagetop