人色-hitoiro-
昔から私は京夜の前でだけは
泣けなかった。そんな時はここへ来て
1人で泣いて‥しばらくすると
伊織!って京夜が私の名前を呼んでくれた。
もう京夜が私の名前を
呼んでくれる事なんてないのに。
ここへ来てくれるはずないのに
また私は未練がましく
こんな場所へと来てしまう。
京夜「伊織っ!」
きっとこれは空耳で
私の妄想でしかないのに。
でも、空耳でも何でも
京夜が私の名前を呼んでくれた事が
嬉しかった。