人色-hitoiro-
奏「君の話はいつも飛躍しすぎる。
その話と伊織ちゃんの泣き顔を
見た事がないという話の
接点が見当たらないよ。」
京夜「伊織は無鉄砲な訳でも
ワガママな訳でもないよ。
他人からすると突拍子もない
行動も伊織の中では全て
辻褄が合ってるんだよ。」
奏「だから、何?」
京夜「本人にとっては
普通の事をしているだけなのに
他人から理解されない事は
この世の中に沢山ある。
例えば、足の踏み場もない
ぐちゃぐちゃに散らかった部屋に
住む人間を周りは理解しない。
その部屋がその人にとって一番
心地よい場所だったとしても
人と違う人間は、いつも誰にも
受け入れてもらえない。
だから、俺は伊織の泣き顔を
見たくないんだよ。」