人色-hitoiro-
どうして、伊織ちゃんはこうなんだろう。
イライラするのに憎めない。
そればかりか頑張れって応援したくなる。
俺がここにいるよって甘やかしたくなる。
奏「いいよ。伊織ちゃん。
迷っても揺らいでも
それでも俺は伊織ちゃんの事が
好きなんだから。」
伊織「でも、だって辛いでしょ?
阿久津くんは今すごく辛いよね?
知ってるよ。叶うか分からない
相手の事を想い続ける辛い気持ち。
私が一番、知ってる。」
逞しくて強くて弱くて脆くて
何でこんなにも矛盾してるんだろう。
いや、矛盾じゃない。
俺の鏡みたいだからなんだ。
同じすぎて嫌になる。
恋愛の意味も知らなかった
青二才の頃の自分を
見てるみたいで嫌になる。