人色-hitoiro-
立ち上がった加々美くんは
ガレージへの中へ入ると
奥の方からテーブルを
引っ張り出し、タバコに
火をつけた。
奏「何かあった?」
涼介「え?」
奏「加々美くんって普段から
タバコ吸わないでしょ?」
涼介「何で?」
奏「俺は、ほら。
喫煙者だから。よく分かる。」
得意げにポケットからタバコを
取り出した俺を見て笑った。
涼介「昔は好奇心っつーのに負けて
吸ってたけど、いおに怒られてさ。
未成年がタバコ吸うんじゃないって。
それっきり吸わなくなった。
けど、たまに恋しくなる。」
奏「知ってる。
加々美くんがタバコを吸う時は
いつも伊織ちゃんが関わってる。」
今度は困ったように笑った。