人色-hitoiro-

伊織ちゃんに言われた訳ではない。
でも、俺は伊織ちゃんと
付き合い出してから
一本もタバコを吸っていなかった。

吸わなくても平気だった。
多分、心が安定していたから。

涼介「あのさ、阿久津くん。」

奏「どうしたの?」

涼介「会ってみようと思う。
加々美くんの友達に。」

奏「そっか。
楓に伝えとくよ。」

涼介「うん。」

加々美くんはようやく
1歩目を踏み出した。
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