人色-hitoiro-
どっちつかずな曖昧な気持ちだから
やっぱり俺たちはギクシャクしていて
もう1週間ほど木崎には会ってない。
会ってしまえば俺は最も
最悪な別れ方しか出来ないから。
元々、俺は人の事を思いやれるほどの
心の余裕など持ち合わせていないから。
いつも考え事をする時は
この橋の上にいた。
今日も懲りずにそこにいる。
自販機の明かりに照らされながら
こちらへ向かって歩いてくる
その人の姿を見つけた
俺は堪らず声をかける。