人色-hitoiro-

でも、素直に嬉しいんだ。
伊織ちゃんがここへ来てくれた事が
俺の事を考えてくれた事が単純に嬉しい。

奏「行こう、伊織ちゃん。」

伊織「え?」

俺はエレベーターのボタンを押し
伊織ちゃんの腕を強引に
引っ張り家の中へと入る。

どうしても抱き締めたかった。
離したくなかった。

奏「今日は帰さない。」

この日、俺たちは初めて一つになった。
ベッドでスヤスヤ眠る伊織ちゃんを
絶対に絶対に他の誰にも
渡したくないって、そう思った。
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