人色-hitoiro-

奏「でも、伊織ちゃんさ
初めて出会った時、俺が倒した
見ず知らずの人の自転車
元に戻してなかった?
周りの事はどうでもいいのに何で?」

伊織「その人が困るからだよ。
私の世界に選ばなかったとしても
目の前で困る人を助けるのは
私にとって普通の事だから。」

奏「やっぱりよく分かんないなあ。」

他愛もない会話をして
でも笑って、阿久津くんといると
いつも私は笑っていて
その日、私たちは背中を
流しあいっこして一緒の布団で眠って
お互いをぎゅっと抱きしめ合った。
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