人色-hitoiro-
京夜の口から初めて聞いた京夜の想い。
ある程度の事は分かっていた。
でも、京夜の口から聞いた事はなかった。
京夜「だから、俺は
パラレルワールドを
信じる事にしたんだ。
別世界に生きる幸せな日常を
送っている俺の影武者だと思えば
なんとか、この世界でも俺は
生きていけるんじゃないかって思った。
でも、もうやめたいんだよ。」
伊織「やめたいって?」
京夜「分かってるんだよ、俺だって。
そんな世界に縋り付いたって
俺が生きる理由にはならない。
伊織の言った通り、俺は空の上にいる
母さんと父さんに幸せを伝えたいんだ。
こっちは幸せだから2人はそっちの
世界で仲良く暮らして欲しいって伝えたい。
俺は今の俺がいるこの世界で
幸せになりたいんだよ。」