人色-hitoiro-

伊織ちゃんは俺の胸で泣いた。

伊織「‥京夜は‥昔から
待つ事が大嫌いなの。
私が寝坊した時も待ち合わせに遅れた時も
遊園地のジェットコースターも
新しくできたポップコーン屋さんも
一緒に待ってくれなかったのに
一度も私の事は待ってくれなかったのに
何で‥木崎さんの事は‥待つの‥?」

俺は伊織ちゃんの背中を
優しく優しく撫でる。

伊織「京ちゃんなんて
私でも呼んだ事ないのに‥。」

奏「‥諦めるの?」

伊織「‥分からない。」
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