人色-hitoiro-
京夜「いつの間にか
俺の携帯には伊織ばかりいた。
携帯を持ち始めた
中学生の頃から俺はいつも
伊織の写真ばかり撮っていた。
心のシャッターだけじゃなくて
写真にその姿を残したくて
俺はいつもシャッターを切ってた。
俺は伊織のどんな姿も一番
近くで見ていたい。」
幸せだった。京夜が· · ·
ずっと大好きだった京夜が
私の事をこんな風に
思ってくれてたなんて。
私は京夜に抱き着いた。
いつも後ろからだったのに。
真正面から京夜は私の事を
抱き締めてくれた。
私たちをピンク色の何かが包み込んだ。
それはきっと幸せの色。