人色-hitoiro-
奏「罵ればいいよ。
最低だ、死ね、大嫌い、消えろ。
楓の思う事を言えばいい。
俺の事を殴ったって構わない。
それで楓の気が済むのなら何度でも。
でも、俺の気持ちは変わらない。
楓がそうしてもしなくても
今言った事を撤回するつもりはない。
変わらず今日でサヨナラだ。」
楓は何も言わず俺を引っ叩くと
胸元のネックレスを引きちぎった。
全てを知っている楓の
その行動こそが全てだった。
楓は本気で俺の事が好きだったから
今、怒っているんだ。
でも、俺は人混みに紛れる
楓を追いかけたりはしなかった。