人色-hitoiro-
雨が降る中、傘もささずに
周りの人にジロジロと
見られている事にも気付かずに
彼女はやっぱり地面に這いつくばりながら
ネックレスを探していた。
俺は駆け寄り伊織ちゃんに傘をさす。
伊織「どうしたの?阿久津くん。」
奏「どうしたの?じゃないよ。
こんな大雨の中、何してるんだよ!」
伊織「だから、言ったでしょ。
ネックレスを探してるんだって。」
奏「元々捨てようと
思ってたやつだから。
もういらないものだから。
これ以上探されると
こっちが迷惑する。」