人色-hitoiro-

雨が降る中、傘もささずに
周りの人にジロジロと
見られている事にも気付かずに
彼女はやっぱり地面に這いつくばりながら
ネックレスを探していた。

俺は駆け寄り伊織ちゃんに傘をさす。

伊織「どうしたの?阿久津くん。」

奏「どうしたの?じゃないよ。
こんな大雨の中、何してるんだよ!」

伊織「だから、言ったでしょ。
ネックレスを探してるんだって。」

奏「元々捨てようと
思ってたやつだから。
もういらないものだから。
これ以上探されると
こっちが迷惑する。」
< 94 / 746 >

この作品をシェア

pagetop