白き竜の語り部
──人間はこの世の縮図なのだ。
全てを受け入れ、内包し、次の時代に向かっている。
そのとき、我にはどのような役割が担われるのか。
そのとき、我はまだ、この世界の空を駆けているのだろうか。
小さきドラゴンに世界の先は見通せぬ。
この一瞬に出会ったシレアには、どんな役割があるのだろうかと、我の思考は止まることがない。
願わくば、願わくば。
彼の者の道の先に、幸在らぬ事を。我と再会せしがため、その命を無くさぬよう。
幾度も会い、幾度も語り、我は高らかに「親しき友」であると誰にでも述べるのだ。