〜starting over〜
これも、現在進行形で。
ただ違うのは、リアルの男の好みが違う、て事だけ。
そりゃそうよね。
あんな浮気男が良いなんてもの好き、私くらいだわ。
こんなに浮気されて、どうして真輝がいいのか……。
初めての彼氏だから拘ってしまっているのか、自分でも最近はよく解らなくなっている。
ただ、一緒に居いる。
それだけで幸せ、だったはずなのに。
こうしてる間にも、真輝が他の女の子と一緒なんじゃないかとか気になってしまう自分が嫌になる。
今はバイト中だから大丈夫なはずなのに、離れると常につきまとう不安。
真輝にとって、私ってなんなんだろう…。
胸の中が悶々とする。

あぁぁぁぁぁぁぁぁ。

もう、やだやだっ。
嫌な事は考えたくない!
大きな声を出すとスッキリする。
人間ため込むとダメね。
ストレス解消!
高音の楽曲を続けて唄っては、感情を出して出して、また出して…。
少しの間でも、真輝の事から意識を逸らして……て。
そう思ってしまう事態、美香が言う通り病みすぎてるのかも、私。
もう。
それもこれも全部真輝の所為だ!

喉がガラガラし始めて、スマホを見ると結構いい時間。
夕飯までには家に帰らないと。

片付けをして、部屋を出て。
心地良い疲労感疲とともに帰路についた。

「あれ?今日もお父さん残業なの?」

自室で着替えて、リビングに降りてくと、ちょうどお母さんがテーブルに夕食を並べているところだった。
手を洗い、隣に並ぶと味噌汁をお椀に注ぎながら問う。

「納品先の新規開拓とか、色々に挨拶に回ってるのよ」

私のお父さんは、地元でお弁当の製造会社を経営している。
だから、一応私、社長令嬢なんですよ、なんちゃって。
お父さんが一代で築き上げた会社だから、お父さんも日々試行錯誤しながら頑張ってる。
会社オフィスへの宅配や、主婦層へのお惣菜の提供。
昔ながらの顧客のおかげだと、感謝の気持ちを忘れてはいけないとお父さんは精進しているのだ。

「もし人手不足なら、放課後私手伝おうか?ちょうど、バイトでもしようかと考えてたところなの」
「あら、それなら別にお父さんの所じゃなくても。身内だからって、特別扱いはしないのよ?」
「期待してませんーっ」
「ふふっ。でも、子供が親に気を使わなくていいのよ。普段から人手が足りない時は手伝ってもらってるし……他の事を経験するのも若いうちの特権よ」
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