〜starting over〜
「えっ!?数分で売り切れたって聞いてたけど……。凄いね……。ありがとう。来てくれるなんて嬉しい」
よしよしと頭を撫でると満足気に笑ってくれた。
感動と言っていいのか解らない再会を噛みしめていると、ディレクターから声がかかる。
「2人の関係は?」
因みに、ディレクターのコメントは、テレビでよく見る下に字が出るテロップとして流れる。
「姉妹でぇ~す」
「中学の先輩後輩です」
美香のボケた発言に空気が和らぐ。
「私、中学の時……吹奏楽部だったんです」
「何の楽器やってたんですか?」
「トロンボーンを……」
「先輩、色々な楽器できちゃうんですよ~。しかも、中学のマーチングではドラムメジャーで、バトンを振るってて、格好良すぎてファンが多かったんですぅ」
「ド、ドラムメジャー?」
「マーチングで先頭に立ってバトンを振ってる指揮者です」
「ほぉ~、因みに……杏さんに今披露してもらうのは……」
「バトンとってきます!」
ディレクターが言い終わる否か、他の部員が叫んで素っ飛んでいった。
そして、すぐに玉の汗を吹き出しながら、息を切らせて白いメジャーバトンを持ってきて、顔を赤らめながら私に手渡してくれる。
「あ、ありがとう……」
暑いのにダッシュさせてしまって申し訳ない。
ちゃんと水飲んでね。
もう数年扱ってないものだから緊張する。
でも、カメラさんに使える画を撮ってもらわないと。
私が少し前にでると、周りも距離をとってくれる。
美香がステップを踏みやすいように、当時のように手拍子をとってくれる。
では……。
バトンを回し、ステップを踏む。
兎に角、審査員や観客の印象に残るようにと、真輝からレッスンしてもらったダンスをマーチング用にアレンジしたものだ。
右手くるくるトワリング。
左手に持ち替えてフローリッシュ。
うん、ちゃんと身体は覚えている。
上半身で重心をキープしながらステップ。
アームロール。
よしよしと頭を撫でると満足気に笑ってくれた。
感動と言っていいのか解らない再会を噛みしめていると、ディレクターから声がかかる。
「2人の関係は?」
因みに、ディレクターのコメントは、テレビでよく見る下に字が出るテロップとして流れる。
「姉妹でぇ~す」
「中学の先輩後輩です」
美香のボケた発言に空気が和らぐ。
「私、中学の時……吹奏楽部だったんです」
「何の楽器やってたんですか?」
「トロンボーンを……」
「先輩、色々な楽器できちゃうんですよ~。しかも、中学のマーチングではドラムメジャーで、バトンを振るってて、格好良すぎてファンが多かったんですぅ」
「ド、ドラムメジャー?」
「マーチングで先頭に立ってバトンを振ってる指揮者です」
「ほぉ~、因みに……杏さんに今披露してもらうのは……」
「バトンとってきます!」
ディレクターが言い終わる否か、他の部員が叫んで素っ飛んでいった。
そして、すぐに玉の汗を吹き出しながら、息を切らせて白いメジャーバトンを持ってきて、顔を赤らめながら私に手渡してくれる。
「あ、ありがとう……」
暑いのにダッシュさせてしまって申し訳ない。
ちゃんと水飲んでね。
もう数年扱ってないものだから緊張する。
でも、カメラさんに使える画を撮ってもらわないと。
私が少し前にでると、周りも距離をとってくれる。
美香がステップを踏みやすいように、当時のように手拍子をとってくれる。
では……。
バトンを回し、ステップを踏む。
兎に角、審査員や観客の印象に残るようにと、真輝からレッスンしてもらったダンスをマーチング用にアレンジしたものだ。
右手くるくるトワリング。
左手に持ち替えてフローリッシュ。
うん、ちゃんと身体は覚えている。
上半身で重心をキープしながらステップ。
アームロール。