イジメ返し3
計画通り、翔平はカンナが自分に好意を抱いていると誤解したようだ。

今頃翔平はどうやって美波と綺麗に別れ、カンナとうまく付き合えるかスカスカな脳をフル回転させて考えているに違いない。

「バカな男」

類は友を呼ぶという言葉を知らないんだろうか。

傲慢で自己中でな美波と、人を暴力で支配しイキがっている翔平はお似合いだ。

二人が長年付き合ってこられたのも、結局似たもの同士だから。

美波だから翔平と付き合うことができたし、翔平だから美波と付き合うことができた。

翔平と二人っきりで数分話しただけでも虫唾が走るのに、付き合うなんて考えられない。

あのおとなしそうな男の子は大丈夫だろうか。

本人のお金だけではなく、両親、さらには祖母のお金まで巻き上げようとするその行為は、卑劣そのものだ。

本人には罪の意識などこれっぽっちもないんだろう。

相手を思いやる良心というものが翔平にはあるんだろうか?

育ってきた環境で欠落したものなのか、教えられてこなかったのか、それともそもそも生まれた時から備わっていなかったのか。

どちらにしても、始末するべき相手だということだけはハッキリしている。
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