イジメ返し３
「さーわーちゃん！」

「あ、カンナ」

「またスマホばっかりいじって～！ちゃんと前見て歩かないと危ないよぉ？」

目の前まで迫ってきた砂羽に声をかける。

顔をあげた砂羽は呆れたようにカンナを見た。

「ねぇ、アンタ美波のこと怒らせすぎだから」

「どうしてぇ？」

「最近、美波ずっと機嫌悪くて相手すんのめんどくさいんだけど」

砂羽ちゃんはポケットにスマホをしまう。

「カンナは何もしてないよぉ？でも、美波ちゃんが勝手に怒ってるんだもん。あっ、そうそう。昨日、砂羽ちゃんってばどうして助けてくれなかったの～？」

頬を膨らませると、砂羽が首を傾げた。

「昨日ってなんかあったっけ？」

「だーかーら、カンナが美波ちゃんにトイレでイジメられてるのみてたのにどうして美波ちゃんに何もいってくれなかったのぉ？」

「ああ、あれね」

あっけらかんとした表情の砂羽。

目の前で人が痛めつけられているところを見ても、何も感じていないらしい。
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