イジメ返し3
確かに、砂羽は直接的にはカンナへのイジメに加担していない。

教室内でも、美波が大人しいクラスメイト達をやり玉にあげてその日の感情に任せてストレスをぶつけても砂羽は同じことはしない。

興味がない様子でいつもスマホをいじっている。

目の前で誰かが傷付けられても、胸を痛めることなんてない。

興味があるのはスマホだけ。SNSを利用することだけに砂羽は価値を見出している。

「砂羽ちゃんは……どうして美波ちゃんと一緒にいるの?」

「えー、別に。特に理由はないけど」

「一緒にいると楽しいとか、話が合うとかそういうんじゃないのぉ?」

「話なんて合うわけないじゃん。あたしと美波ってタイプ違うしー」

ヤンキー系の美波と派手でおしゃれな砂羽。

二人とも目立つ存在ではあるけれど、タイプは違う。

「ただ」

「ただ、なぁに?」

「美波が儲けたお金で遊べるし。SNSのネタにもなるしね」

悪びれる様子もない砂羽に頬が引きつりそうになるのを必死で堪える。

< 114 / 275 >

この作品をシェア

pagetop