イジメ返し3
「美波ちゃんってアルバイトってしてないよねぇ?美波ちゃんが儲けたお金って、出会い系で誘ったおじさんとカンナからカツアゲしたお金のこと?」

「まぁ、そんなところ。でも、カンナんちは金持ちなんでしょ~?うちら貧乏人に少しぐらい恵んでくれたっていいじゃん」

「砂羽ちゃん、知ってるぅ?お金はねぇ、大切なんだよ。お金もちだからって簡単に手に入る物じゃないの。そのためにたくさんの犠牲も払ってるんだからぁ」

「知ってるし。説教とかマジやめてよ、だるいから」

うんざりしたように言うと、砂羽は再びスマホに視線を落とした。

「あっ、コメント来てる!」

スマホ依存症っていう言葉はきっと彼女の為にある。

常にスマホを片手に持ち、意味もなく画面をタップする。

「あっ、てかさぁ。カンナってば美波にだけお金あげてるじゃん?今度はあたしにも分けてよ」

「え?」

「だーかーら、欲しいバッグがあるの。SNSで超人気の完売品!転売されて高値になってて買えないからカンナあたしに協力してよ」

砂羽がパチンっと両手を合わせる。
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