イジメ返し3
「カンナに買ってほしいってこと?」

「そんなの察してよぉ~!あたし来月誕生日だし。誕生日プレゼントってことで!そうしたら今度カンナが美波に何かやられてても助けてあげるし。ねっ、どう?カンナにとってもいい条件じゃない?」

バッグを誕生日プレゼントに買う代わりに、美波からカンナを助ける?

なにそれ。どうしてそんな条件を付ける必要があるの。

「カンナ、砂羽ちゃんにもたくさんお金使ってるよ。学食のランチ」
だってそうだし、放課後遊ぶお金だって――」

「はいはいはいはい!近々返すから!ってことで、よろしくね。あとでバッグの写真送っておくから」

厚かましいことこの上ない砂羽は一方的に話を切り上げると、カンナの横をすり抜けていった。

「砂羽ちゃん、教室は反対だよ~?」

「いいの。あたし、昨日あんまり更新してないから保健室で溜まってるの更新しなきゃ」

何を言っているんだかよくわからない。

きっとSNSの更新を保健室でするということだろう。

砂羽の背中が遠ざかっていく。

「砂羽ちゃんも悪い子だねぇ。悪い子にはちゃんとお仕置きしないと……ねっ?」

カンナは砂羽の背中に向かってポツリと呟いた。
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