イジメ返し3
「人を傷付けたら自分もいつか傷付くの。ズルい人間が得をするなんて許されないんだよ?因果応報っていう言葉、バカな翔平君は知らないかなぁ?でも、安心してねぇ。奪われるのがどんなに辛いかカンナが今からちゃーんと教えてあげる」

「テメェ……どういうつもりだよ」

最初から好意があるように接してきたのも全部嘘……?

こいつ、何なんだよ。顔は笑っているのに、目が笑っていない。

感情のこもっていない真っ黒な瞳に薄気味悪さを感じる。

どういうつもりだ?カンナの考えていることが全くわからない。

「今まで翔平君が傷付けてきた人たちのイジメ返し、カンナがしてあげるの」

カンナは生物室の掛け時計に視線をスライドさせた。

「そろそろかなぁ」

そう歌うように呟いてスッとカンナが椅子から立ち上がった瞬間、腹部に再び強烈な痛みが走った。

全身に鳥肌が立ち、額に脂汗が滲む。

「あれぇ~?翔平君……?どうしちゃったの~?お腹が痛いの~?トイレ、行かないとねぇ?」

カンナがヘラヘラと笑う。
< 151 / 275 >

この作品をシェア

pagetop