イジメ返し3
「君は渡辺さんのところの息子さんじゃないか。こんな夜遅くに……うちに一体何の用だい?」

「頼む!救急車を呼んでくれ!母さんが死にそうなんだ!親父にナイフで刺された!」

ドアチェーンをしめ、扉の隙間から外の様子を伺うジジイはいぶかしげな表情で俺を見つめた。

「君は何を言ってるんだ……」

「嘘じゃない!アンタ、スマホって持ってる?あっ、携帯でもいい!家の電話は
あるか?」

「お母さんに暴力を振るったと思ったら今度はそんな嘘までつくなんて」

「嘘じゃねぇんだよ!とにかく早く救急車を呼べ!今すぐだ!」

このままじゃらちがあかない。

必死になって叫ぶと、ジジイの顔色が変わった。
< 168 / 275 >

この作品をシェア

pagetop