イジメ返し3
食器を片づけ終わり席に座り、すかさず右の手のひらを差し出す。

「美波ちゃん、500円。砂羽ちゃん、550円」

「……は?」

眉間にしわを寄せて顔半分だけを引きつらせた美波。

「だーかーら、食べた分のお金。ちゃんと返してね?」

首を傾げてもう一度言うと、美波はカンナの手のひらをパシッと叩いた。

「いいじゃん。アンタ金持ちなんだし。ねぇ、砂羽?」

「ゴチでーす!マズかったけど」

美波が好意的にカンナを誘ったわけではないと気付いていたけど、まさかお昼代を支払わされるとは思ってもみなかった。

「えーー、嫌だよぉ!カンナのお金だもん!返して返してーー!」

ぷくっと頬を膨らませながら言い返すも、二人は微動だにしない。
< 17 / 275 >

この作品をシェア

pagetop