イジメ返し３
「別々でお願いします～」

レジの前に着き店員さんにそう告げた瞬間、美波がカンナの肩をポンッと叩いた。

「あたし、財布忘れちゃったんだよねぇ。砂羽もだからここはカンナが払ってよ」

「えっ！？またカンナが払うのぉ～？学食のお金もまだ返してもらってないんだよ～？」

抗議されても美波の表情は崩れない。全く動揺するそぶりも見せずにヘラっと笑った。

「いいじゃん。アンタ金持ちだしさ。今度返すから。外にいるからあとよろしくねぇ～！」

「よろしくー」

美波と砂羽はそう言うと、カンナを残して店を出た。

「あのっ……お客様……」

困惑している店員さんに向かって微笑む。

「ごめんなさい。今、払いますね～」

最初からカンナにすべて払わせるつもりでこのカフェに連れてきたのだろうという想像はついていた。

悪びれもしない二人の様子からしてこういうことをするのは常習に違いない。

今までもこうやって誰かを苦しめ、傷付け、痛めつけてきた。

「類は友を呼ぶって……こういうことなんだねぇ」

会計を済ませたカンナは、外にいる二人を窓越しに見つめてポツリと呟いた。
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