イジメ返し3
「さーてとっ、始めようかぁ。カンナの最後のイジメ返しを。今までは誰かに手を貸すことが多かったけど、美波ちゃんだけは特別だよぉ」

カンナはにっこりと笑うと右足であたしの腹部を踏みつけた。

「ぐっ……!」

内臓を圧迫されているような感覚に吐き気が込み上げてくる。

「痛いでしょ~?見てるとそんなに痛そうに見えなくてもすっごい痛いものだよねぇ。暴力を振るうことの非道さがよーくわかるでしょ~?やっていることは違っても美波ちゃんがたくさんの人にこうやって暴力を働いていたのは事実だから。子供のころからなーんにも教えてもらえなかった可哀想な美波ちゃんにカンナが今、ちゃんと教育してあげるからねぇ」

カンナはそう言うと、何度も何度もあたしの腹部を踏みつけてかかとでグリグリと踏みつぶした。

「やめろ……よ!くそっ!!」

あまりの苦しみに逃げようと必死で体をくねらせる。

でも、体は両手両足を拘束されてうまく体を動かせない。

さらに寒さに体がかじかみうまくいかない。

「理不尽ってこういうことを言うんだよぉ。イジメも一緒。抵抗できない相手を一方的に痛めつけて「やめて」と叫んでもなおも痛めつける」

「分かったから!謝ればいいんでしょ!?だからもうやめてよ!!」

チッ、と心の中で舌打ちをする。

とにかく今はここでカンナに屈することが得策だ。

解放された後、やり返してやればいい。10倍、いや100倍。

ううん、1000倍にして。
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