イジメ返し３
①
美波と砂羽はカンナをうまく利用した。

１０分間の休み時間には声なんてかけてこないのに、昼休みと放課後は必ずカンナを誘った。

お昼は学食でランチをおごらせるため。

放課後は自分たちのお金ではいけそうもない場所へ連れて行ってもらうため。

二人にしかわからない会話で盛り上がり、カンナはいつも置いてけぼりだった。

２対１。女子３人組でよく見る光景。

今まで何人の子を毒牙にかけてきたんだろう。

断ろうとしても、必ず断れない雰囲気に持っていかれる。

二人の圧力にきっと周りの子は圧倒されているはずだ。

このクラスでは美波と砂羽がスクールカーストの頂点に立っている。

図々しくて厚かましい二人にクラスメイト達は刃向かえない。

カンナも断れないふりを続け、様子を見ることにした。
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