イジメ返し３

【桃サイド

【桃サイド】

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【イジメ返し！今、SNS上でも話題！死後もAが崇拝される衝撃の理由！】

面白おかしく週刊誌に踊る見出しに胸が痛む。

私はパタンっと週刊誌を閉じた。

カンナちゃんは自らの死で全ての幕引きを図った。

あの日、美波ちゃんにイジメ返しをした後家に入るカンナちゃんを呼び止めた。

もしかしたら、そんな予感はあった。カンナちゃんの表情には確かな決意が感じ取れたから。

それなのに、私は結局カンナちゃんを引き留めることは出来なかった。

お母さんを亡くしてから１２年間、カンナちゃんはずっともがき苦しんでいたに違いない。

イジメという行為を憎み、その行為をする人間を許せなかった。

元々は正義感の強く優しい子だったカンナちゃんを歪んだ正義感に変えてしまったのは、美波ちゃんたち一家のイジメだ。

それがなければ、カンナちゃんとカンナちゃんのお母さんは今も笑顔でいられたかもしれない。

ううん、そもそも巻き込んでしまったのは私だ。

私が美波ちゃんにイジメられているところをカンナちゃんが助けてくれた。

それをよく思わなかった美波ちゃんがカンナちゃんをイジメた。

最期にカンナちゃんがくれた手紙にはこう記されていた。

【桃ちゃん　もし生まれ変わったらずっと友達でいようね】

その手紙に涙が止まらなかった。

言いたかった。今もこれから先もたとえどんなことがあろうと私はカンナちゃんの友達であると。仲間であると。

でも、もうそれを直接伝えることは叶わない。

イジメは連鎖し、新たな不幸を呼び込む。

その負の連鎖はカンナちゃんの死後も止まらない。

いや、それどころかそれは増長されていく。

カンナちゃんの行為にSNSでは称賛の声が上がり、崇拝する信者まで現れた。