イジメ返し３
休み時間になると待ってましたとばかりにクラスメイトがカンナの席を取り囲んだ。

「ねぇねぇ、まさかとは思うけどさ西園寺さんってあの西園寺さんだったりする？」

どこに転校しても大体そう。今みたいに好奇心に満ち溢れている瞳を向けられる。

「うーん、どこの西園寺さんを言ってるのかは分かんないけど、多分あってるよぉ。カンナのおじいちゃんはこの辺りにたくさん土地を持ってるから」

「やっぱり？じゃあカンナちゃんって西園寺家の娘さんってこと!?」

「そうなるかな？よかったら今度カンナの家、遊びに来てねっ！」

「いいの～？行く行くーー!!」

飛び跳ねるように喜ぶクラスメイトたちを、

「――アンタたち、うるさいんだけど!!」

美波が一喝した。

ヒステリックなその声はきっと母親譲りだ。

「あっ、ごめんね……」

クラスメイト達の表情が一瞬で曇る。

「カンナちゃん、ごめん。またあとでね……」

これ以上美波の機嫌を損ねたくない様子のクラスメイト達がカンナの席を離れようとしたとき、

「待ちなさいよ」

美波がそれを制止した。
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