イジメ返し３
「どういうつもり!?」

背後から足を踏み鳴らして追いかけてきた美波は教室に入るなりカンナの肩を力強く押した。

「わぁ！」

よろけながら振り返るとそこには鬼の様な形相を浮かべた美波が立っていた。

予想通りの反応に心の中でほくそ笑む。

「美波ちゃんー、どうしちゃったの～？痛いよぉ」

肩をおさえながら唇を尖らせると、美波の怒りは更に増していく。

「さっき翔平と何しゃべってたわけ!?」

「えっ。何のことぉ？」

「とぼけんなよ！アンタがコソコソ翔平の耳元でささやいてるの見たんだから！」

「あぁ～、それねぇ！実は翔平君にどうしても聞きたいことがあって」

「なにを聞こうとしてたわけ！？」

「えー、本当はナイショにしたかったんだけどぉ」

「さっさと言えよ！」

「ちょっと、カンナ。アンタいい加減にしなよ。美波もそんな怒んなって」

更に目をつるし上げて今にも掴みかかってきそうな余裕のない美波の隣で砂羽が助け舟を出す。
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