イジメ返し3
休み時間、裏庭には行かなかった。

行かなかったのではない。行けなかったんだ。

翔平はちょこちょこカンナのいる教室を現れ何か声をかけてこようとしていたものの、美波にそれを許してはもらえなかった。

翔平の暑苦しく下品な視線を体中に感じる。

下心丸出しのサルの様な翔平を手名付けることは簡単だろう。

でも、それを美波は許そうとしない。

トイレに行くにも常に砂羽がついてくる。

この日一日、美波に監視されて自由が利かなかった。
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