イジメ返し3
「――桃ちゃん!」

「カンナちゃん!」

思わず声をあげた。

教室から同じタイミングで出てきたカンナと桃ちゃんは驚いたように顔を見合せる。

桃ちゃんはにっこりと笑うとカンナのところへ歩み寄った。

「偶然だねぇ~!桃ちゃん、帰るところ?」

「そうだよ。カンナちゃんは?」

「カンナも」

17時までまだ時間がある。

「隣のクラスなのになかなか会えないなって思ってたんだ~!カンナと途中まで一緒に帰らない?」

「うん!」

桃ちゃんは嬉しそうに大きくうなずいた。
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