イジメ返し3
「朝から甲高い声で話しかけてくんなよ、ウザいんだよお前」

「ひ、ひどいよぉ、美波ちゃん!」

「アンタが転校してきてから最悪なことばっかりなんだけど!」

「そんなぁ……。じゃあ、カンナどうしたらいいのぉ?」

昨日、出会い系のアプリでカンナを襲わせることに失敗したから怒ってるの?

砂羽とケンカでもした?

それとも、翔平に振られた……?

それか、家族間のトラブル……?

美波の怒りの原因は定かではない。

けれど、何かに強いストレスを感じているのだけは確かだった。

美波は倒れている椅子を足で蹴飛ばすと、座り込んでいるカンナの前で仁王立ちした。

「死ねよ。今すぐあたしの前から消え失せろ」

その言葉に教室中がシーンっと静まり返る。
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