イジメ返し3
ママはまた殺されてしまった。

カンナのせいで。

太ももは真っ赤になっていた。

痛みで怒りを抑えようとしたけれど、到底出来っこなかった。

カンナはスッと立ち上がった。

「美波ちゃんの嘘つき」

軍手をはめた手でコンロの足を掴むと一思いに傾けてコンクリート張りの駐車場に炭をぶちまけた。

ものすごい音とともに倒れたコンロから、まだ火のついている炭が転がりコンクリートを黒く染める。

「ちょっ、アンタ何してんのよ!?」

「あっ、ごめーん。カンナも手が勝手に動いちゃった~!」

「ふざけんなよ!」

美波の怒鳴り声が静まり返った住宅街に響き渡る。
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