イジメ返し3
「それに、火事になる危険性もあったわ。危ないわねぇ。とりあえず、ここはすぐに直してもらうわ。お父さんに伝えておいてね。後日、請求書を美波からカンナちゃんに渡すようにしておくから」
美波の母親の魂胆はよくわかった。
写真がなくなっただけで大したことがない……?
どうしてそんなに心ないことを平気な顔で言えるんだろう。
どうして自分の娘の非を認めないんだろう。
正直者がバカを見て、ずる賢く図々しい人が天下を取るなんてそんなのおかしい。
美波の母親はこれを理由にまたパパからお金を巻き上げようとしているらしい。
「ねえ、あなた。そのコンクリートの張替え、カンナちゃんの家に頼むことにしたから!」
美波の母親が嬉しそうにそう告げる。
「コンクリートの張替え~?お掃除すればいいだけじゃないのぉ?」
「ダメよ、それじゃ!完璧に綺麗にはならないと思うし」
「それはおかしいよ。カンナも悪いことしたかもしれないけど、美波ちゃんだって悪いことをしたんだから」
「美波が悪いことをした?まさか。うちの美波に限ってそんなことあるはずないでしょ。嘘つくんじゃないわよ」
美波の母親が今度は目を吊り上げてカンナを睨んだ。