イジメ返し3
「あのねぇ、こっちは被害者なの!こうやってコンクリートを汚されたんだから。
優しい顔しあげてればつけあがって。こっちにだって考えがあるんだからね」

「カンナはやりたくもないバーベキューの後片付けをやらされたのに、どうしてそんなことを言われないといけないのぉ?」

「だったら、やらなければよかったでしょ?勝手に片づけをやったのはカンナちゃんじゃない。うちのせいにしないでよ。話はまた今度。ちゃんと誠意見せなさいよ」

誠意という名の脅しを多用してくる美波の母親。

慣れた様子からして、今までもきっと同じ文言で誰かを脅してお金を巻き上げていたに違いない。

「カンナを脅すの?」

「もう用はないでしょ。さっさと帰んなさい!」

「嫌だ、って言ったらぁ~?」

「ったく、アンタ私達をバカにしてるの!?そのしゃべり方、いい加減にしなさいよ!あぁ、頭にくる。気が変わったわ。アンタじゃ話にならないからアンタの父親に直接電話するから!」

「ふぅん。お好きにどーぞ」

体中から湯気が出そうなほど怒り狂っている美波の母親から視線を美波にスライドさせる。
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