イジメ返し3
「アンタもつくづくバカな子だね。火に油を注ぐんだもん」

美波は呆れたように吐き捨てた。

「だって、悪いのは美波ちゃんでしょ~?」

「あのね、悪いかどうかを決める権利はアンタにはないの」

「どういう意味?」

「この世はうまくやったもの勝ちだもん。アンタは立ち回るのが下手すぎる。幼稚園の時からずーっと。もちろん、今も、現在進行形でね」

「美波ちゃんって本当に悪い子」

「は?」

「悪い子にはそろそろきつーいお仕置きが必要だねぇ。もちろん、そんな子供に育て上げたパパとママにも……ね」

フッと笑うと、つけていた軍手を手から外してコンクリートの上に放り投げる。

「じゃあね~!」

バッグを拾い上げて肩にかけた時、ふと気づいた。

美波の家の北側の家の2階に誰かがいる。

カーテンの隙間からこちらを見ているのは里子ちゃんのママかもしれない。
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