イジメ返し３

③

翌日、教室に入った瞬間強烈な違和感を覚えた。

「おはよ～！」

自分の席に向かう途中、近くにいるクラスメイト達に挨拶をする。

いつもだったら挨拶をし返してくれるはずのクラスメイト達はよそよそしく、目すら合わせてくれない。

「みんな、変なのぉ～」

ポツリと呟いてから自分の席に座ると、周りから何かをヒソヒソと話す声が聞こえてきた。

ロッカーの前にいた男子二人組がスマホの画面からカンナに視線をスライドさせる。

その瞳には好奇心が色濃く浮かんでいる。

スマホ……？

立ち上がって男の子二人の前に行くと、彼らは驚いたように目を見開いた。

「それ、見せて～？」

「な、なんで？」

「何が書いてあるのか気になるから。ねっ、お願い」

「見ないほうが西園寺さんの為だと思うんだけど……」

「いいからぁ。ちょっと借りるねぇ」

手を出して催促すると、男の子は渋々スマホをカンナに手渡した。
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