イジワルな彼は私を溺愛しています ②
22時。
パーティー会場にやっと人がいなくなり、私と和海は肩の力を抜いた。
「有紀、和海くん、お疲れ様」
母が後ろから声をかけてきた。
母ははいと言って私の手のひらに鍵を置いた。
「ホテルの部屋の鍵よ。泊まってらっしゃい」
「ありがと」
私は鍵をつかんで歩き出したが、数歩歩いた所で振り返った。
「明日、浴衣着ないといけないんだけどある?」
「浴衣……?明日の昼に学校にあれば間に合う?」
「多分」
「なら、届けさせるわ。……おやすみ」
「おやすみ」
私は今度こそ、ホテルの部屋に向かった。