イジワルな彼は私を溺愛しています ②
会社の作る労力と3時間の地獄。

長い目で見れば後者をとるべきだ。

だが、3時間は長い。長過ぎる。

10分間も走っていられない私にとって、3時間は不可能だ。

和海は悪魔にもなれるから絶対私の事情なんか無視して走らされる。

それなら、会社の方が楽じゃないか?

適当に店を開いておけばどうにかなる。

しかし、私が経営するのは……。

「早く決めろ」

和海が急かす。

「会社を経営するか走るか。でも、俺は有紀を説得しなければいけないから会社を選ばなかったらお仕置き3回分追加だな」

「会社にする」

私は即答した。



[一、会社の経営についてmizusawaグループのサポート等は一切ないものとする]

[一、会社の準備期間は一年とする]

[一、会社の規模は定めない。但し、赤字となった場合は個人で責任を取ること]

[一、芸能事務所、風俗店は禁ずる]

「これを守ってくれればいい」

父は紙を私に渡して言った。
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