イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「赤字は自分で責任を取るんだから、黒字の売り上げは私のものになるよね?」
「ああ、好きなように使え」
「ありがと」
私は内心ニヤニヤと笑っていた。
私はそんな心の片隅で、私って随分がめつい奴なんだなと思った。
「それと、有紀の秘書はこっちで用意しておく。なるべく優秀な人を選んでやるからな」
父がそう言っている間に私の隣から不穏な空気が流れてきた。
「…女性にしておく。有紀と同性の方がいいだろうしな」
父は何かを感じたのかそう言った。
「あ、うん。わかった」
不穏な空気がすぅーと薄れていった。
「そろそろ学校に行く準備をした方がいいんじゃないか?」
「え?あ、大変!和海行くよ!!」
私は食べかけの皿を置いて急いで席を立った。