イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「皆さん、是非、是非来てください!!」

私はダンスが終わり、マイクを片手に宣伝をした。

「「「おおおぉぉぉおおお!!!」」」

元気よく返してくれる男子達。

私は「待ってます!!」と言ってからステージから降りた。

「お疲れ様ー!!」

ステージ裏ではクラスメイトがはしゃいでいるが、私はそこそこに返事をして着替えて生徒会室に向かった。

ダンス発表が午前中で助かった。準備に時間をかけられる。

「有紀様、準備は順調です」

親衛隊の方が報告してくれる。

「ありがとうございます」

「水沢さん!!ダンス良かったよ!です」

この話し方。馬鹿の田中か。

「ありがと。何で田中と佐藤がいるの?」

田中の隣には佐藤がいた。

2人は何するでもなく、部屋の隅の方に立っているだけだ。

「お手伝いしようと思ったんだけど、何したらいいのか分からなくて。あ、です」

最後の思い出した感丸出しのです付け。
イラつくを通り越して呆れる。

この馬鹿は絶対社会人になったら人間関係で失敗するな。

「やる事なら死ぬほどあるから。そこにある机を店を出す場所に置いてきて。この紙に書いてある通りにね」

私は【文化祭 喫茶店】と書かれたファイルから田中に紙を渡した。

「はい!」

「分かりました」

2人は仕事をもらったのが嬉しいのかルンルンで机を持って暑い外に出ていった。

物好きな奴らだ。

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