イジワルな彼は私を溺愛しています ②
逸らした先にあった床に敷いている布に気づき、これをを畳もうとしゃがんだ。
「なっ//」
し、心臓に悪い。
和海がいきなり私に覆いかぶさるように上から抱きしめてきた。
「他の奴らに見せたくない」
耳元で囁かれた声に私はゾクリとした。
憂いを帯びた声。
甘くて、それでいてちょっとビターな声。
誰もが虜になる声。
「か、和海……。それは出来ない……」
体温が尋常ではないくらい上がっている。
「知ってる。有紀が写真撮影をする事も、知ってる」
ごくん。
私は生唾を飲み込んだ。
そうでもしないと自分が何か取り返しのつかない事を言ってしまいそうな気がした。
私が固まっている間に和海は私からそっと離れた。
私も少し遅れて、ぎこちなく動いて布をたたんだ。
私は和海の後ろに隠れるように歩いた。和海がそうしろと言ってきたからだ。
だが、そうしてもらうのはありがたかった。きっと今私の顔はありえないくらい真っ赤っかだ。
生徒会室に入った。和海がいきなり止まって、私は和海の背中にぶつかった。
「ど、どうしたの?」
和海の後ろから出て、和海の顔を見て言った。
「「「「っ!!!」」」」
その瞬間、時間が止まった。周りの人全員が固まっている。
……………………………………………………………。
長い沈黙を終わらせたのは和海だった。