イジワルな彼は私を溺愛しています ②
「有紀、お父さんが心配してるの分かってるだろう」
和海は空回りしている私をたしなめた。
「それに、このことに関しては気づいてやれなかった俺にも責任がある」
「それなら、説明してくれ」
「はい」
和海は私がストレスで吐いたことと、その理由も全て話した。
「……そういうことか」
私はコクリと頷いた。
ただ私が和海が浮気をしたと妬いて体調を崩したというだけのことで、改めて聞くと恥ずかしい。
「それで、和海くんは何で脅されたんだ?」
「有紀を襲うと遠回しに」
「「襲う?!」」
私と父の声が重なった。
「和海、聞いてないんだけどっ」
「言ってないからな」
和海はケロッと言った。
「……まあ、和海くんが有紀を大切に思ってくれてるのは分かった」
「ありがとうございます」
和海はほっとしたのか笑顔になった。
「それで、鈴木晴香に制裁はすませたのか?」
「それが、しようと努力はしているのですが……」
和海は本当に不甲斐ないと思っているのか歯切れが悪い。
「それなら、私に譲ってくれないか?悪いようにはしないから」
「分かりました。お任せします」
[制裁]は父がやることになったそう。
って制裁って怖くないですかね?
一週間後。
スズキ食品が経営難になったとニュースでやっていた。